「なんで勉強しなきゃいけないの?」と子どもに聞かれたとき、まず考えるべきこと
こんにちは。ささやま寺子屋塾の池です。
職業柄、よく聞かれる質問があります。
各家庭でこすり尽くされたであろう、あのキラークエスチョンです。
「なんで勉強しなきゃならないの?」
あるいは、
「なんで学校行かなくちゃいけないの?」
何回も聞かれすぎて、こちらも鍛えられました。
こういった質問に対して私は答え方を用意しています。
あとで詳しく書きたいと思います……が、その前に。
一番大事なことがあります。
子どもが求めているのは「模範解答」ではないということです。
つまり、子どもが
「なんで勉強しなきゃならないの?」
「なんで学校行かなくちゃいけないの?」
と大人に聞くとき、本当にその答えが聞きたくて質問しているとは限らないということです。
質問はひとつでも、その質問を口にする背景は一人一人違います。
――もしかしたら、授業についていけなくて勉強から逃げたいのかもしれない。
――もしかしたら、部活など勉強以外に打ち込みたいことがあるのかもしれない。
――もしかしたら、いじめにあっていて学校に行きたくないのかもしれない。
そんな子に対して、得意顔で勉強する理由を説明したところで、その子の心は満たされません。
それがどんなに理路整然とした模範解答でも、絶対に納得しません。
授業についていけない子は、勉強する理由を知ったところで結局ついていけないので勉強から逃げ続けるでしょう。
部活に打ち込みたい子は、聞かされた「勉強する理由」がその思いを上回らない限り、結局は部活を優先するでしょう。
いじめられている子は「学校行かなくていいよ」と言ってほしかったのに、逃げ場を奪われ追い詰められていくでしょう。
「どうしてそう思ったの?」
そう問い返す姿勢が第一です。
もちろん、「どうしてそう思ったの?」と聞いても、なかなか素直に胸中を話してはくれません。それでも、「この人は自分を見てくれている」と子どもに思ってもらえたら、その後あなたの話す言葉は子どもの心に届きます。
勉強する本当の理由なんて、子どもの背負っている背景に比べたら、それを知ろうとする姿勢に比べたら、ハッキリ言ってどうでも良いことなのです。
ていうか、場合によっては嘘の理由も言うべきです。
「勉強出来たらモテるやん」みたいなペラペラな答えの方が、案外子どもの心に刺さることもあります。
「勉強なんてせんでええ! 好きなことだけやってたらええよ!」と言ったら、(こんな大人になってはいけない……)という顔で逆に勉強しだすこともあります。
勉強する本当の理由なんて、どうでもよくはないけど、どうでもいいのです。
どうでもいいのです!
……と、ここまで書いて。
今回は一旦、筆を置きたいと思います。
「勉強する理由」を話す空気ではなくなってきてしまったので(笑)
本当はどうでもよくはないので、次の記事で書きます。
今回もお読み下さりありがとうございました!
はてなブログ一週間目。始める前から変わったこと【ブログ最高】
こんにちは。池です。
はてなブログを始めて今日で一週間が経ちました。
この一週間で、自分の中で変化したことを書きました。
これからブログを始めようとしている方の参考になれば幸いです。
ブログを始めた目的
そもそも私がブログを始めた目的は、大きく分けて3つです。
・自分の思考をアウトプットすることで頭の中を整理する
・お世話になっている方への生存報告・近況報告として
つまり、完全に自分のためだけに始めたブログです。
ブロガーとして有名になろうとか、収益化したいとかは全く考えていません。
はてなブログの機能もろくに調べず、とりあえず作ったアカウント。「まずは書いてみよう。考えるのはそれからだ」というモチベーションで「毎日更新」という無謀な目標を立てました。
そして、この一週間。独りよがりな内容ながら7記事を更新しました。
一週間で変わったこと
ブログを始める前と比べて、色々と変化がありました。
自分の考えを「読み物」として言語化することで自分自身、格段に頭が整理された。
新たにお会いした人に「ブログやってるんですよ」と言うことで、自己紹介ツールとして使えるようになった。
まだ一週間ですが、当初の2つの目的は、充分に達成できていると思います。
それはよかったですが、一方で。
予期していなかった大きな変化もひとつありました。
アクセス解析機能との出会いです。
アクセス数が気になるようになった
アクセス解析機能。
その存在を知ったのはブログを始めて3日目でした。
――え、なんか今日のアクセス数がグラフで出とるやん!
――時間ごとのアクセス数も見れるやん!
――しかもなんか、どの記事が読まれてるかも分かるやん!
それはもう、始めて火に出会った原始人のようにはしゃぎましたね。
一度気になってしまうと、もうだめでした。
この一週間で、たぶん100回はチェックしたと思います。
もはやいっぱしのブロガー気取りです(笑)
繰り返しますが、私は、ブログを収益化するつもりはありません(今のところ)。
自分のためだけに始めたブログ。構成もめちゃくちゃで、ペルソナ(仮想読者)も設定していない。
そんな自分本位の記事でアクセス数を気にするのは、思い上がりもいいところです。
気にする必要はないし、そんな御大層な身分でもない。
ないのですが……あるとつい見てしまうのが、アクセス解析機能というもので。
意味のないアクセス数チェックで時間をけっこうムダにしてしまいました。
アクセス数から見えてきた「自分の客観像」
無駄に時間を浪費したアクセス数チェック。しかし、ひとつ収穫もありました。
私は、2つの肩書きを持っています。
ささやま寺子屋塾の池。
将棋普及指導員の池。
この1週間の7記事では、その内容によって2つの肩書きを使い分けてみました。
その結果。
ささやま寺子屋塾の池が書いた記事の方が、多く読まれていたのです。
私のブログの読者は、おそらく今のところ、ほとんどが私の知人です。
つまり、私の周りにはささやま寺子屋塾の池の知人である、もしくはささやま寺子屋塾の池に興味のある人が多い、ということ。
これって、自分では意外とわからないものです。「自分の考え」をアウトプットし、知人に読んでもらい、その反応を可視化したことで、はじめて分かったことです。
ブログを始めたからこそ、分かったことでした。
まとめ
ブログを始めて一週間で変わったことです。
・頭の中が整理された
・自己紹介のツールを得た
・アクセス数が気になってしまった
・数字から自分を客観視できた
7放、5落、12達という言葉があります。
10割の完成度を目指してあれこれ考える前に、7割ぐらいで良いから、まず投げてみる。
すると色々問題が生じて5割ぐらいまで完成度が落ちる。
それでも、その原因を必死に考えて再スタートすれば結果的に12割、つまり最初に目指していた場所より高みにたどりつける、という意味です。
今、私は「5落の谷」にいますが、まず初めてみたことで気づけたことに感謝しています。
ブログを始めてよかったと心から思います。
今回も読んで下さり、ありがとうございました!
いつも励みになっております。
もっと応援していただけるよう、読者様の役に立つ記事も増やしていきたいと思います。
丹波篠山のメインストリートで、子どもたちが本気で枝豆を売った話
こんにちは。ささやま寺子屋塾の池です。
聞いてください。
昨日、うちの生徒たちが黒枝豆を売りました。
それも、普通じゃない方法で。
黒枝豆販売をすることになった経緯
なぜそんなことになったのか?
まず、ささやま寺子屋塾の新事業「寺子屋トガリ」について話す必要があります。
寺子屋トガリとは、まさにこの2019年10月にモニター生の募集をスタートしたばかりの、全く新しい塾です。
そこで教える内容は5教科「以外」。
さまざまな事業を実践する中で、学校で学べない起業家精神を学ぶ塾として、来年度のオープンを目指しています。
まだ始まったばかりの寺子屋トガリについて、塾長のブログをリンクしておきます。
この寺子屋トガリに興味を持ち、小学生から高校生まで5人の生徒が集まってくれました。
トガリの方針は、実践を通して起業家精神を養うこと。彼らは話し合い、まずこのシーズンの丹波篠山の人気商品である、黒枝豆の販売で利益を出してみることを決めました。
目標は「1円以上稼ぐこと」。
なんやかんやあって、黒枝豆の仕入れ先と販売場所が確保できました(そのために舞台裏で多くの大人が動きましたが、それは今回の趣旨に関係ないので触れません)。
子どもたちには、枝豆の販売量、商品形態、価格設定、販売政略、その他、販売に関する全てを決めてもらいました。
先日のブログで、黒枝豆の製品化方法について書きましたが、黒枝豆の商品化としては枝売りとさや売りの2つの方法があります(参考までにこちらも)。
しかし、子どもたちが選んだ方法は、第三の選択肢でした。
街のど真ん中で枝豆狩り
販売当日、販売場所である篠山市街のスペースに運び込まれた枝豆は、不要な葉っぱこそ取り除かれたものの、まだ枝についた株のままの状態でした。
子どもたちが選んだ売り方は、まさかの「もぎ放題」。
そのルールは以下の通りです。
1.お客さんは500円を支払う。
2.ブルーシートの上に詰まれた枝豆の株の山の前に座る。
3.スタートの合図とともに、1分間の「もぎもぎタイム」開始!
4.その間に枝からもぎ取った豆は、全て持ち帰って良い。
めっちゃ楽しそうじゃないですか?
しかも、お得。
これはいける。売れるに違いない。がぜんイケイケムードで、午前10時。いざ販売を開始しました。
初めての商売は甘くなかった
「黒枝豆狩りいかがですかー!」
「1分間のもぎ放題です!」
子どもたちは大きな声で客を呼び込みました、
それはもう大人の商売人も顔負けの、300m先から聞こえるほどの大声で。
しかし、お客さんは思ったように止まってくれません。
興味深そうにじろじろと見ていく人はいるものの、「あんたやりいや」「えー恥ずかしいわ」などと話しながら、結局通り過ぎて行ってしまいます。
午前中で挑戦してくれたのは、わずか6名でした。
売上は3000円。このままでは大赤字。焦る子供たちから笑顔が消えてゆきました。
「1分500円だと短く感じるんかな」
「普通の売り方もした方が良いかも」
学校の授業の50倍ぐらい頭をフル回転して、考えている間にも時間は過ぎてゆきます。道行く観光客は相変わらずじろじろ見てはくるものの、変なニヤニヤ笑いを浮かべて去っていきます。
見落としていたのは、2つの事実。
1、篠山市街を歩く観光客は、その多くが既に他店で黒枝豆を買ってしまっている。
2、篠山市街を歩く観光客は、目立つことをするより、ゆったりと街歩きがしたい。
「声が大きすぎるんちゃう?」
「足を止めてもらうにはどうしたら良いかな」
子どもたちは考え、実践しました。私たち大人にアドバイスを求め、思いつく限りの方法を試してみました。
考え、実践し、考え、実践し、心身ともにボロボロになりながら頭と身体を使ってトライ&エラーを繰り返しました。
欠けていたのは、最後の一押し。
遠巻きに見ているだけだったお客さんは、本当は自分への言い訳を探していました。
「そこまで強引に言われたら仕方ないなあ」
「子どもの教育のためなら一回やったるか」
そんなことをボソボソ言いながら、足を止めてくれる方が少しずつ増えてゆきました。
そして、あっという間に時間は流れました。
販売を終えて残ったもの
「ありがとうございます! これにて……完売です!」
若いカップルに頭を下げる子どもたちの姿を、私は少し離れた場所で、ブルーシートを片付けながらぼんやり眺めていました。
達成感は沸きませんでした。それは、達成した彼ら自身が抱くべきものだから。
成功とは到底呼べない、穴だらけの成果。それは彼ら自身も分かりすぎるほど分かっていて。それでも彼らの表情は事業をやり切った充足感に満ちていました。
「お疲れさま!」
それ以外に、なんと声をかければよかったのか。
大人たちは後片付けを続けました。
この記事を書いている前日、10月27日(日)の出来事です。
何もしていない割に、ここ数日で一番疲れた一日でした。
仕入れ値から売り上げを引いた利益は900円でした。これが成功なのか、失敗なのか、私には分かりません。来週の反省会で子どもたちが決めることです。
ただ一つ言えるのは、この経験をした子供たちは大抵のことは怖くないだろう、ということです。
すみません。昨日のこと、とにかく早く言葉にしたくて、まとまらないまま書き殴りました。
長文乱文を最後まで読んで下さり、本当にありがとうございます。
丹波篠山黒枝豆 まにあわない製品化のままならない現実
こんにちは。ささやま寺子屋塾の池です。
実は農学部出身です。
今回は、私が活動している丹波篠山市の特産品についての話です。
10月に旬を迎える丹波篠山の黒枝豆
丹波篠山の名物と言えば、なんといっても黒枝豆です。
普通の枝豆と比べて色が黒っぽく、粒が大きく、甘みや旨味が強いことが特徴です。
その旬は大変短く、毎年10月中しか収穫できないため「幻の味」とも呼ばれています。
期間限定でしか食べられない高級品として、関西を中心に大変な人気があります。
黒枝豆には「枝売り」と「さや売り」の2種類の商品形態があります。
枝売り
枝付きの枝豆を束にして販売しています。古くから用いられてきた商品形態で、「黒枝豆と言えばコレ!」という方も多いのではないでしょうか。自分で枝から外さないといけない分、少し手間はかかりますが、枝付きのため日持ちがするというメリットもあります。
さや売り
近年になって増えてきている商品形態です。枝豆のさやを枝から外して、袋詰めして販売しています。黒枝豆以外の枝豆では馴染みある形だと思いますが、黒枝豆は枝売りが主流でした。
黒枝豆のブランドイメージを担ってきたのは枝売りの豆です。なんといっても枝付きの高級感は魅力的で、自分で食べるだけでなく贈答品として大変人気があります。
さや売りに比べて製品化に圧倒的な手間と時間がかかるのですが、高級品としてのブランドイメージを守るため、現在でもあえて枝売りを続けている農家が大半を占めています。
ブランドを守るための選別作業が農家の負担に
黒枝豆は丹波篠山市の主要産業と言って良いでしょう。そのブランドを守るため、丹波篠山の農家は地域一体となって高い品質を保つ努力をしています。
枝売りの製品化では、虫食いや汚れのあるさやは、あらかじめ取り除いています。
さや売りを採用している農家も、見た目の悪いさやが流通しないよう、人の手による厳しい選別作業を行っています。
しかし、こうした選別作業は農家にとって大きな負担となっています。
毎年、10月になると丹波篠山市の黒枝豆農家のもとには親戚一同やパートの主婦が集まり、朝から晩まで休むことなく、人海戦術で製品化を進めています。
しかし、経験と責任が求められる選別作業は、中心となる農家本人にしかできない仕事です。この選別作業が大きな足かせとなって、なかなか生産量を増やすことができていません。
黒枝豆は人気なので、作れば作るだけ売れることは分かっているのですが、生産が追い付いておらず、「需要はあるのに供給されない」という状態なのです。
選別がいらない「第三」の商品形態
こうした状況の打開策となりうる、第三の商品形態があります。観光客を対象とした「収穫体験」です。
収穫体験。
畑に育っている黒枝豆に「1株400円」のようにお得な値段をつけ、お客さんに自分で収穫してもらう方法です。
費用対効果を考えた時、恐らくこの方法が最良であると考えられます。収穫体験なら、お客さんが自分で枝豆のさやをもぎ取って袋に入れて帰るため、農家は選別作業どころか黒枝豆に触れる必要すらありません。もし虫食いの豆が入っていたとしても、それはもぎ取って袋に入れたお客さんの自己責任です。
このように画期的な収穫体験ですが、問題もあります。
お客さんが収穫体験に来るのは、それまで積み上げてきたブランドイメージあってのもの。全ての農家が通常の製品化を完全にやめて、収穫体験にしぼってしまったら、ブランドイメージは消滅するでしょう。
そもそも、収穫体験だけでは多くの人に届けることが出来ません。
本当は誰も選別などしなくない。でも、誰かがブランドを守らなければならない。このジレンマに悩みながら、篠山の農家は黒枝豆を生産しているのです。
いかがでしたか。
今回は、日ごろから心を痛めている生産者と消費者のギャップについて知ってほしくて、書きました。
はっきり言って、多少さやに虫食いがあっても、中身の豆は無事であることがほとんどです。味は一切変わりません。それでも丹波篠山市の農家たちはブランドを守るため、いわば「何の意味もない」選別作業を行って、やたら粒ぞろいできれいな見た目の黒枝豆を生産しています。
黒枝豆に限らず、ブランド志向の農作物の裏にはこのような農家の苦労があります。
だから、消費者の皆さん。
旅行してください。
収穫体験をしてください。
お待ちしています!
こんかいも呼んで下さり、ありがとうございました。
よろしければ、こちらの記事も合わせてご覧ください。
プレイヤーが指導者になるために越えなければならない4つの壁
どうも、将棋普及指導員の池です。
私も含め、ほとんどの「指導者」が、かつて「プレイヤー」でした。
何の競技にしてもそうだと思うのですが、現役を引退したら指導者になろうと考えているプレイヤーは多いのではないでしょうか。
しかし、プレイヤーが指導者になるためには、越えなければならない壁があります。
闘争心の壁
プレイヤーにとって大切な闘争心。しかし、指導者には不要です。
当たり前なのですが、指導者の目的は生徒に勝つことではありません。生徒に勝たせることです。
もし野球部のコーチが内野練習のとき「絶対にヒットにしてやる」という気持ちでノックを打っていたらどうでしょうか。その野球部はうまくなるでしょうか。
下記URLの記事で紹介されている指導棋士の飯島さんは「ひと月で生徒に280敗する」といいますが、プレイヤーとしてのキャリアが長いと、この境地に至るまで少し時間がかかります。ついうっかり勝とうとしてしまうのです。本当に尊敬します。
コミュニケーションの壁
プレイヤーが上達する方法は、2段階です。①自分の中に成功のイメージを作り、②その通りに動く練習をする。
指導者が生徒を上達させるには、さらにワンクッション挟まないといけません。すなわち、①自分の中に成功のイメージを作り②そのイメージを生徒に伝え③生徒がその通りに動く練習をする。
どんなに正しい指導をしても、それが生徒に100%伝わることはまずありません。良くて70%、悪いときは0%です(そもそも聞いていない場合)。生徒が自ら吸収しようとするようなコミュニケーションを心掛け、場合によっては内容の「正しさ」より「伝わりやすさ」を優先する必要もあるでしょう。
モチベーションの壁
かつて熱心なプレイヤーだった指導者は、誰もがその競技を好きで好きで仕方ないという勘違いをしがちです。
実際には、色んな目的の子が来ている習い事教室で、そんなことはまずありません。「君たちは将棋を習いに来たんだろう」という態度でいると失敗します。
また、モチベーションは調子のよい時は上がりますが負け続ければ下がります。モチベーションが下がっている子に「やって当然」という態度で接しても、良い結果は生まれないでしょう。
技術の伝達の前にモチベーションの管理が重要であることは、かつて優秀なプレイヤーであるほど認識しにくいかもしれません。
親の壁
元プレイヤーの指導者が、もう一つ見落としがちなのが親の重要性です。
これは子供教室に限った話ですが、指導者と生徒だけで完結できないのが難しいところです。
生徒の親との関係性は指導者が何より気を遣わないといけないところです。教室で良い指導をしても、そのことを親と共有できていなければ知識や技術は定着しません。子どもの成長に最も影響するのは親です。子どもと最も長い時間接しているのは親だからです。
指導の終わりに、1分でも良いので生徒の親と指導内容について会話することで、長期的に見た効果は全く違ってきます。
いかがでしょうか。本当はもっとあるかもしれませんが、私が個人的に特に大きいと思う壁を挙げました。
とはいえ、プレイヤーとしての経験は、指導者になったときマイナスになることはまずありません。技術を伝える以前のところに、壁があるのです。
私も絶賛、格闘中です。
今回も読んで下さりありがとうございました!
人間の「凄み」の正体を運動の第二法則で考察してみた
こんにちは。池です。
理屈抜きに「この人、凄い!」って感じる時があります。
皆さんも経験があるのではないでしょうか。二言三言話しただけで、あるいは出会った瞬間から、ビシビシと伝わってくる「この人は他の人と何か違う」感。あの正体は何なのでしょうか。
地位や年収、能力の獲得、フォロワーの多さなど、その人の成し遂げた「成功」でしょうか。
たぶん、違います。
たとえば、誰かがIQテストでIQ120を叩き出したとしても、その人が20歳の大人か6歳の小学生かで凄さは全く変わってきますよね。
では、若くして成功を成し遂げる「成長速度」でしょうか。
一見それらしいですが、まだ足りない。
成長速度は「凄さ」を感じる人にある程度共通する特徴かもしれませんが、凄さの正体そのものではありません。
私が思うに、それは「加速度」。
「成長速度」を高める元となっている「成長加速度」です。
成長加速度という言葉は、私が今作りました(と思って検索したら、既に使っている方が何人かいました)。
あえて定義するなら「常に自分を変化させて成長し続けようとする姿勢」といったところでしょうか。
せっかくなので、この成長加速度について高校物理の授業風に考察してみたいと思います。
ma=(md^2 r)/(mdt^2 )=F
式を見て分かる通り(わからんわ!)、加速度は座標を2回微分したもの。
すなわち、座標を微分すると速度に、速度を微分すると加速度になる。
同じように、成功を微分すると成長速度に、成長速度を微分すると成長加速度になる。
要するに、成功は突き詰めると成長加速度が根底にあり、成功の度合いは成長加速度の二乗に比例する。
いかがでしょう、この理論。それっぽくないですか? 何言ってるのか分かんないですか? すみません。
なんとなく、ニュアンスで感じて下さい。
えー、要約すると、こういうことです。
成功や成長を生み出すのは成長加速度=「常に自分を変化させて成長し続けようとする姿勢」であり、それこそが人間の「凄み」の正体である。と私は思っている。
加速度を生み出すのはF、すなわち加えた「力」です。
成長加速度を生み出すのは、次に挙げるようないくつかの「力」です。
成功した自分をイメージする想像力。
色んな事に果敢に挑戦してゆく行動力。
少しでも先を読もうとする計画力。
自分の弱点を認めて直す修正力。
などなど。
自らを成長させるそれらの力を、子ども将棋教室では「自己アップデート能力」と呼び、ささやま寺子屋塾では「土づくり」と呼んでいます。
教育者として生徒を見るとき、つい、点数や成績など目に見える部分に注目してしまいます。
しかし、それはあくまでも「座標」に過ぎません。本当に評価するべきなのはその根っこにある加速度であり、力です。
子どもの成績が落ちたときは、付け焼刃ではなく根本の「力」をつけてあげたい。
子どもの成績が伸びた時は、その原動力となったその子の「力」を褒めてあげたい。
なんたって、座標は力の二乗に比例するのですから。
いかがでしょうか。今回は言葉遊びみたいな内容になってしまいましたが、
好きなんです、言葉遊びが。
文型と理系のキメラなのです。
今回も長々と拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました!
「人間は9タイプ」診断をささやま寺子屋塾の生徒に受けてもらったら教育改革だった
どうも。ささやま寺子屋塾の池です。
ささやま寺子屋塾は、私が講師・役員を務める、丹波篠山市の3か所で教室を持つ個別指導塾です。
今回の話は、その1つ、大芋教室で昨日あった出来事についての話です。
突然ですが、皆さんは『人間は9タイプ』という本をご存知でしょうか。
著者は『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』の坪田信貴さん。1300人以上の偏差値を劇的に上げてきた彼が、心理学に基づいて人間の性格を9タイプに分類。それぞれのタイプの人間関係がうまくいく方法を、実話も交えて詳しく解説しています。
先日、本屋でふと手に取り、軽く数ページ読んで……即買いしました。
もっと早く読めばよかった。
この本には、連携したアプリが公開されており、自分が「9タイプ」のどれにあたるのかを、90個の簡単な質問に答えることで診断することができます。
9つのタイプは「完璧主義者」「献身家」「達成者」「芸術家」「研究者」「堅実家」「楽天家」「統率者」「調停者」。皆さんもぜひ、下記URLから受けてみてください。
でも気を付けて下さい。
受けると、必ず本も買いたくなります。
さて、昨日、この診断を寺子屋塾の生徒にも受けてもらいました。
勉強の手を少し止めても、この診断は受けてもらう価値があると思いました。
一人一人の生徒のタイプとその特性――たとえば「○○タイプの人は、このように接するとやる気が出る」「××タイプの人は、このような声掛けを嫌がる」というような――を把握できれば、必ず指導の役に立つ。診断結果を100%妄信するわけではないけれど、活かさない手はない。そう考えたからです。
その結果。
得られたものは、想像以上に多かったです。
1.指導・声掛けがしやすくなった
ネガティブな要素をとにかく嫌う「楽天家」と診断された女の子には、今の点数や過去の勉強姿勢を反省するのではなく、何点上がるかという明るい未来を強調しました。結果、勉強のモチベーションを上げることに成功しました。この日はタイムトライアル形式で、とにかく楽しくノリノリで勉強する雰囲気づくりを心掛けました。効果はてきめん。普段逃げがちな方程式の勉強がはかどり、表情も明るくなりました。
2.生徒自身の自己理解が進んだ
「統率者」と診断された男の子。「統率者は、あれこれ指示されるのを嫌がる。その指示があいまいだと超嫌がるらしいよ」と本の情報を伝えると、「めっちゃわかる!」と目を丸くしました。これまで漠然と、なんとなく持っていた自分像に「統率者」という名前が与えられたことで「自分はこういう人間だ」という自己理解が進んだのです。自分が好き・得意なこと、嫌・苦手なことを自覚することで、どのように人生を歩むべきか方針が明確になったと思います。
3.自分の欠点も「個性」と受け入れることができた
この日、バイト講師として来ていた大学生にもこの診断を受けてもらいました。「調停者」タイプと診断された彼は、「楽な方に逃げがち」という悩みを持っていました。でも、これは「調停者」の「平和を愛し、競争を嫌う」という性質から派生したもの。欠点と言われる性質と引き換えに、彼は他のタイプにはない場を和ませる力を持っているのです。多分、そのことが無意識に彼を救ったのでしょう。彼は「調停者」のページを「あぁー……ほんまそれ」と呟きながら長いこと読んでいました。
「全ての生徒にとって正しい指導法」は存在しません。
多くの教育者が、そのことを理解しています。
でも、実際の教育の現場で一人一人の生徒に最適の教育を提供することは、至難の業といえます。画一の方法と比べて教師・講師に多大な負担がかかりますし、生徒の数が増えるほどその負担は増します。制度的にも、まだまだ変革が必要でしょう。
それをできる環境にいる私は、非常に恵まれていると心から感じました。
今後も思考停止することなく、文字通りの意味の個別指導を実践していこうと思います。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
ほかにも、何か面白い能力診断や自己理解ワークがあったら是非、教えて下さい!
ちなみに筆者は「研究者」「楽天家」「統率者」がほぼ同率でした。